長年にわたり紙ベースで経理処理を行ってきたが、今後のペーパーレス化に伴い、従来の非効率な手順の見直しや仕組みの再構築が求められていた。業務のたな卸しやシステムのリプレイスを含めた効率化を検討していたものの、具体的な施策に落とし込めていなかった。

数年前に他社から転職してきた管理担当者の方は、経理部の業務が属人化しており各担当者の業務内容が把握できないことに困っていた。業務マニュアルが整備されておらず、担当が変更になった場合は口頭ベースでの引継ぎとなり、無駄な時間がかかっていることも懸念していた。紙ベースによる業務の常態化が属人化の原因の1つとして考えていたが、業務内容が分からず対策が立てられない状況にあった。

属人化した業務を可視化するため、業務のたな卸しを行い、誰がいつ、何の業務を担当しているのかを明確にすることから着手した。各担当者に「業務調査票」を配布し、担当している業務を記載してもらった。回収した業務調査票を一覧化し、業務一覧表を作成することで業務の全体像を把握。また、業務一覧表を基に各担当者に対してヒアリングを実施し、業務の詳細化（実施頻度、定型/非定型業務、インプット・アウトプット等）と課題の抽出を行うことにより、ソリューション（非効率な業務、ペーパーレス化を推進すべき業務、再構築すべき業務）を明確にした。ソリューションを全て一気に対応することは現実的ではないため、各業務の年間作業時間を算出し、作業時間の高い業務から優先的に着手できるように計画書を作成した。

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