今回で2回目の連載となります、弊社若手コンサルタントの奮闘記をご紹介します。
今回ご紹介する若手コンサルタントは、システムの導入案件にアサインされ、いち早く一人前のコンサルタントになれるよう研鑽を積んでおります。
様々なシステム導入の案件がある中で、どのような案件にアサインされ、どのような経験を積んでいるのでしょうか。
今までに経験したプロジェクト
私はシステムに関わるプロジェクトを主体とするチームに所属しており、主にシステムの導入支援サービスに従事してきました。
様々な業務システムがありますが、私はこれまでSCM*の導入案件を経験し、直近の案件では、お客様先に常駐しながら予算管理システムの導入サポートを行っています。
*(SCM:調達や販売といった業務をシステムで統合し、全体を通して効率化するための基幹システム)
案件ごとに期間は様々で、案件に参加するタイミングも異なります。
今まで経験したプロジェクトでは、案件の途中からスポット的に参加するものが多かったので、今後はシステムを1から導入する案件に参加したいと思っています。
現場で学ぶ予算管理システム導入
今は予算管理システムの導入支援プロジェクトにアサインされています。
導入支援プロジェクトのゴールは、コンサルタントの手を離れて、お客様自身が予算の策定といった業務をシステム上に設定し、管理を出来るようになることです。
そのためにコンサルタントは、お客様が独り立ちできるよう様々なサポートを行います。
サポート業務の一つとして、お客様が予算の策定などを設定できるように、プロトタイプという、システム上にお客様の業務を再現した試作設定を提供します。お客様がシステム上で実現したい業務のヒアリングを行い、データの入出力画面や勘定科目の構成といった、マスタの設定方法を考案します。
その後、システム上で実際に動くかどうかプロトタイプを作成し、作成したプロトタイプが既存の設定に影響が無いかどうか、検証を行います。検証の結果にエラーなどが発生しなければ、お客様が自分自身でシステムへ設定を行えるようプロトタイプの設定方法についての資料を作成し、説明を行います。
その他にも、「このシステムのこの機能が分からない」といったお客様への質問回答や、システム機能についての説明会を行います。
予算と実績の対比分析など、複雑な業務をシステム上で実現するためには、システムの設定も複雑となってしまいます。プロトタイプの内容について、1度では伝わらないこともあり、お客様にご理解いただけるまで何度も説明や資料の更新を行います。
自分が考案した設定や作成した資料をお客様に理解していただき、システム上でお客様の業務が実現できるようになることは、とても嬉しいです。
システム導入に必要な知識とは?
多くの企業では、予算管理をExcelで行っています。
Excel予算管理では、膨大な関数が発生することで予算の修正や集計が手に負えなくなり、システムの導入に踏み切るといった企業も多いです。そのため、予算管理システムの導入を行う場合には、お客様の既存業務であるExcel予算管理業務を理解する必要があります。
一方で、その既存業務を置き換える先の予算データの集計方法といった、システム機能を理解する必要もあります。
今回のプロジェクトでは、プロジェクトの途中から参加したこともあり、お客様は入出力フォームなどの簡単なシステム設定については行える状態でした。しかし、システムマスタや細かな計算処理などの複雑な設定については行うことが出来ませんでした。
プロトタイプを作成し説明するためには、早急にお客様の既存業務と導入するシステム機能を理解する必要がありました。
地道な努力で知識を増やす
お客様へ既存業務をシステムに置き換える提案ができるよう、既存業務と導入システムの機能面について、様々な工夫を行いながら知識面のキャッチアップを行いました。
既存業務のキャッチアップでは、プロジェクトが開始して半年程経過していたため、既にシステム上で実現しているお客様業務の過去資料を読み込むところから始めました。
資料の中では、BP(Budget plan:予算計画)といった、お客様独自の略語や用語が頻出します。分からない用語を理解するために、用語を纏めたリストを作成し、同じチームのコンサルさんにお聞きしながら、分からないを要素を一つ一つ潰していきました。用語リストはどんどん行数が増え、未だに更新を続けています。(笑)
導入システムのキャッチアップでは、勘定科目といったマスタや入出力画面の設定方法など、システムの設定方法について記載されたマニュアルを必死に読み込みました。設定マニュアルはボリュームが多く、ページ数でいうと400ページを超えます。
設定マニュアルには、この画面で予算データの入出力の設定を行うことができます、といった説明がありますが、何を目的として予算データを入出力し、その予算データを利用して何を実現するのかといった、本来の業務についての説明は記載されていません。業務と機能を紐づけて理解するため、過去にシステム化された業務の設定資料を設定マニュアルで参照しながら、システム機能のキャッチアップを行いました。
機能理解の途中で躓くことも何度かありましたが、プロジェクトに参加した3週間目からは、「この計算処理を行う場合はどの機能を使えばいいの?」といった、機能質問に対して答えることが出来るようになりました。
今後の目指す方向性とは?
お客様の予算管理業務の中で、予実対比表を作成する業務では、会計システムの実績データを参照し、売上見込表を作成するため業務では、販売システムの販売実績値を参照します。
予算管理システムで上述の各業務を実現するためには、会計システムであれば、勘定科目の仕組みといった、連携を行うシステムの知識が必要となります。1つのシステムを導入するためには、導入するシステムだけではなく、連携を行う様々な領域の知識が必要となることを今回のプロジェクトで実感しました。
そのために、1つのシステム領域に拘るのではなく、様々な領域のシステム導入を経験していきたいです。