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プロジェクト管理システムを活用した決算業務の管理

2025年03月19日

 

月次決算、四半期決算、年次決算といった決算業務ですが、未だにExcelを使って進捗管理をしている企業が多く存在します。Excelに決算作業を一覧化し、担当者や期限、作業ポイント等を記載したうえで、担当者に共有して進めるケースが一般的ですが、Excelを使った管理には様々な課題が潜在しています。
Excel管理の場合、同時編集の制限によりリアルタイムでの進捗確認が難しい、チャートを使った視覚的な管理が困難、作業ポイントやノウハウ等の情報の一元管理に向いていないといった課題がありますが、プロジェクト管理ツールを使うことにより、これらの課題を解消することができます。
今回の記事では、プロジェクト管理ツールの特徴や決算業務管理に対する活用方法だけでなく、ツール選定のポイントについてご紹介いたします。

Excelを使った決算業務管理の課題

 

月次決算、四半期決算、年次決算といった決算の管理には、Excelを使う方法が一般的です。Excelは、非常に便利で汎用的なソフトウェアなので、決算だけでなく様々な業務の管理に用いられていますが、総じていくつかの課題が存在しています。

 

①同時編集に制限があるため、進捗状況がリアルタイムで分からない
決算業務は、複数の担当者で進めることになりますが、Excelの場合は同時編集に制限があります。「ブックの共有」を設定したり、Web版のExcelを用いることである程度解消することはできますが、Excelは同時編集を目的として作られている訳ではありませんので、制限によって進捗状況をリアルタイムで確認することに課題が残ります。

 

②情報(参考資料・マニュアル・ノウハウ等)の一元管理が難しい
決算業務といっても、各勘定科目の締め処理や、原価計算、固定資産の減価償却計算等、様々な作業があります。これらの作業の属人化を防ぐため、ノウハウや作業手順をマニュアル化している企業が多くありますが、Excelを用いた決算業務の管理では、参考とすべき資料の一元管理ができません。必要な情報にすぐにアクセスできないといった事態に陥る可能性が高まります。

 

③進捗状況を視覚的に確認することが難しい
Excelの機能を駆使すれば、ガントチャートやバーンダウンチャートを作成することはできますが、進捗状況を視覚的に分かりやすく表現するためには、Excelの機能をフル活用し、専用のファイルを作成しなければなりません。Excelに精通した担当者であれば作成することもできますが、作成やメンテナンスに時間がかかってしまいます。

 

このように、Excelを使った決算業務の管理には課題がありますが、これらの課題を是としてExcelを使い続けるか、課題を解消することができるプロジェクト管理ツールの使用を検討するか、一考の余地はあるのではないでしょうか。

 

 

プロジェクト管理ツールの特徴

 

プロジェクト管理ツールは、その名の通りプロジェクト(特定の目標を達成するための納期が決まった活動)を管理・サポートするためのツールです。Excelでは実現が難しい様々な機能を有していますが、価格は1ユーザーあたり1,000円/月以下の安価なものが多く存在します。それでは、プロジェクト管理ツールの特徴を見ていきましょう。

 

①スケジュール管理
プロジェクト管理ツールに付随するスケジュール管理機能には、直感的に操作できるものが多くあります。例えば、ドラッグアンドドロップで期間を調整したり、作業の前後関係を考慮して自動で期間を調整するといったものがあります。

 

②進捗管理
ガントチャートやグラフ等、視覚的に分かりやすい機能が備わっています。また、残りの作業量と納期を示すバーンダウンチャートを有しているツールもあります。

 

③工数管理
予定工数や実績工数を登録することで、工数管理が可能になります。予定と実績の工数を比較することで、課題を抱えている作業を抽出することができます。

 

④情報管理
プロジェクトに参加しているメンバー間で情報の共有ができるように、Wikiやファイル共有、掲示板といった機能を持つツールも存在します。

 

⑤コミュニケーション管理
作業に対する質問や、作業のレビュー結果等をチャットでやり取りができる機能も備わっています。また、作業の期限が近づいて来ると、メールでリマインドを送ったりすることもできます。

 

どのようなプロジェクト管理ツールでも①スケジュール管理、②進捗管理の機能は備わっていますが、③工数管理、④情報管理、⑤コミュニケーション管理の機能は有していないツールもあります。機能の充実度と価格は比例しますので、目的に応じて選ぶ必要があります。

 

決算業務管理におけるプロジェクト管理ツールの活用方法

 

プロジェクト管理ツールは、その名の通り「プロジェクト」を管理するためのツールですが、月次決算、四半期決算、年次決算をプロジェクトとみなして活用することもできます。月次決算であれば、4月度決算、5月度決算といった単位を1つのプロジェクトとして登録し、運用するイメージになります。それでは、決算業務においてプロジェクト管理ツールがどのように活用できるか、見ていきましょう。

 

アラート機能による作業の抜け漏れの防止
作業の予定期限が近づいたり、期限を超えてしまった場合に、リマインドメールで通知することができます。リマインドメールを確認することで、実施しなければならない作業を把握することができ、作業の抜け漏れを防ぐことが可能になります。

 

工数管理機能による負荷の平準化
予定作業時間や実績作業時間を登録・集計することで、各担当者の負荷状況を把握することができます。これにより、特定の担当者に偏っている作業を他の担当者に配分し、作業負荷を平準化することができます。

 

予定・実績作業時間の分析に基づく課題の明確化
実績作業時間が予定作業時間を超過した作業は、何かしら問題を抱えていると捉えることができます。予定時間を超過した作業を課題として抽出し、分析・解決することで、決算業務の効率化を図ることができます。

 

情報管理機能による知識やノウハウの共有化
Wikiやファイル共有機能を用いて決算作業に求められる知識やノウハウを共有化することができます。プロジェクト管理ツールによっては、1つの作業(タスク毎)に対してファイルを添付することもできますので、マニュアルを探す時間の短縮が実現できます。

 

これらは活用方法の一例になりますが、Excelでは実現が困難なことも対応できますので、プロジェクト管理ツールは決算作業の管理に適していると言えるでしょう。

 

 

プロジェクト管理ツールの選定ポイント

 

決算作業をプロジェクト管理ツールを用いて管理することは、様々なメリットがあることをお伝えしましたが、非常に多くのプロジェクト管理ツールが存在しますので、どのツールを選んだらよいか迷われるかもしれません。そこで、プロジェクト管理ツールの選定ポイントを幾つかご紹介いたします。

 

ポイント1:システム環境(オンプレミス vs クラウド)
プロジェクト管理ツールには、ツールを自社のサーバーやPCに直接設置するオンプレミス型と、クラウド上で管理するクラウド型の2種類が存在します。オンプレミス型は、自社の要件にあわせた高度なセキュリティー対策を施すことができますが、総じて運用開始までの時間や手間、コストがかかる傾向にあります。一方で、クラウド型は、運用開始までの構築時間や初期費用を抑えることができますが、自社の外に情報を保管しますので、情報漏洩等の対策を講じる必要があります。

 

ポイント2:プロジェクトのコピー・テンプレート機能
決算作業は同じような作業を月次、四半期、年次で繰り返し行うという特長がありますので、決算の度にプロジェクト管理ツールに登録するという手間がかかってしまいます。プロジェクトのコピー機能やテンプレート機能を持つプロジェクト管理ツールであれば、毎回登録する手間が省けますので、このような機能を持つツールの選定を推奨します。

 

ポイント3:工数管理・情報管理・コミュニケーション管理機能
工数管理、情報管理、コミュニケーション管理の機能を持つプロジェクト管理ツールは限られていますので、決算業務管理においてどこを重要視するかを明確にする必要があります。工数管理、コミュニケーション管理は要否が分かれる傾向にありますが、マニュアルやノウハウといった情報の一元管理はどの企業でも課題となりやすい要件となりますので、情報管理機能を持つツールが良いといえます。

 

オンプレミス、クラウドといったシステム環境は、企業のセキュリティ要件によって分かれる部分ではありますが、セキュリティ要件を満たせるのであれば、クラウド環境の方がメリットは高いです。また、プロジェクトのコピー・テンプレート機能、情報管理機能を持つツールを選定することで、決算業務の管理を改善することができます。

 

 

 

まとめ

 

Excelは汎用性が高く、非常に便利なソフトウェアですが、同時編集、情報の一元管理、視覚的な進捗確認が難しいといった課題がありますので、プロジェクト管理ツールを使って決算業務を管理する事例が増えてきています。プロジェクト管理ツールは、これらのExcel課題を解消することができるだけでなく、作業の抜け漏れを防止するアラート機能等も有していますので、ツールを利用することにより、決算作業がスムーズになったという声も少なくありません。プロジェクト管理ツールは様々な種類がありますが、決して高価なツールではありませんので、要件を整理して選定、導入することをお勧めします。

 

■Excelを使った決算業務管理の課題
・同時編集に制限があるため、進捗状況がリアルタイムで分からない。
・情報(参考資料・マニュアル・ノウハウ等)の一元管理が難しい。
・進捗状況を視覚的に確認することが難しい。

 

■プロジェクト管理ツールの特徴
・1ユーザーあたり1,000円/月以下の安価なものが多い。
・ガントチャートやグラフ等、進捗度が視覚的に分かりやすい機能が備わっている。
・工数管理、情報管理、コミュニケーション管理機能を持つプロジェクト管理ツールも存在する。

 

■決算業務管理におけるプロジェクト管理ツールの活用方法
・アラート機能によって作業の抜け漏れを防止する。
・工数管理機能により担当者の負荷状況を可視化し、負荷を平準化する。
・情報管理機能を用いて知識やノウハウを共有化し、「マニュアルを探す」という手間を軽減する。

 

■プロジェクト管理ツールの選定ポイント
・クラウド型のプロジェクト管理ツールを選択する。
・プロジェクトのコピーや、テンプレート機能を有しているツールを選ぶ。
・Wikiやファイル共有等、情報管理の機能を持つプロジェクト管理ツールを選定する。

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