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RPAにおける最近の傾向~見えてきたRPA選定・導入の課題

2019年01月24日

 

RPAの風向きが変わり始めているような気がします。相変わらずRPAの特集が雑誌で組まれており、関心の高さに変わりはないものの、RPAを導入・利用する企業が増えてきたことから、RPAに対する理解が進んだ一方で、RPAを選定あるいは導入する課題が見えてきて、冷静に自社に合ったRPAを選定・導入しようとする流れになってきたように感じます。
今回は、最近のRPA動向として、2つの観点からRPAの課題を解説してみたいと思います。

 


RPAにおける最近の傾向~見えてきたRPAの課題

RPAというツールが広く紹介されて一定期間が経過し、現在はRPAを提供するベンダーも増加して、RPAに関する情報が非常に氾濫しています。雑誌等のメディアで頻繁に特集が組まれ、RPAに関するセミナーは毎週のように開催される状況になっています。一方、RPAを提供するベンダーの多くが自社のRPA製品の無償トライアル期間を設けて積極的にサービスを展開していることから、多くの企業が実際にRPAを見て、RPAに触れる機会が多くなってきています。
現在の状況としては、RPAとは何なのか?といった情報収集の時期は終わり、RPAを実際に触り、RPAを導入・利用する段階になってきているようです。ただ、正確には、本格的に“RPAを導入・利用している”というよりは、「トライアルで利用している企業が増えた」というべきかもしれません。
このように多くの企業がトライアル導入を検討・実施することで事例が蓄積されつつあります。そこで見えてきたRPAの課題もあり、「トライアルしたいが、どの業務に適合するか検討がつかない」「設定が中々難しく、思ったように導入が進んでいない」といったRPA導入企業の悩みの声が聞こえてきています。
<見えてきたRPAの課題>
「トライアルしたいが、どの業務に適合するか検討がつかない」
「設定が中々難しく、思ったように導入が進んでいない」

 

「トライアルしたいが、どの業務に適合するか検討がつかない」

■RPA製品の特長を正しく知る
RPAは全ての業務に適合できる訳ではなく、RPAがマッチする業務は限定されます。RPAは、パソコンを利用して同じ作業を繰り返すような業務でないとマッチできません。RPAはヒトが判断するようなことはできませんし、ヒトが判断するようなことも学習しません。
また、PCを利用して繰り返し行う単純業務だったとしても、RPA製品によっては、相性の問題で上手くRPAが動作しないこともあります。例えば、インターネットの問い合わせから情報を取得し、受注システムへ取得した情報を入力する業務をRPAに委ねようとしても、RPA製品の相性によっては、受注システムに上手くログインできずエラーになってしまうケースがあります。こうなると、PCで行う単純な繰り返し業務だったとしても、RPAがマッチしません。
また、RPAが問題なくマッチしたとしても、別の実務上の問題も発生しています。例えば、デスクトップ型のRPAを採用すると、PCを専有されてしまい、その期間はヒトがそのPCを利用できないといった弊害もクローズアップされています。
■RPA業務を見える化する
RPAに適合した業務を見つけるためには、いわゆる業務を見える化することから始めなければなりません。
業務を見える化する手段としては、外部のコンサルタントを利用して、業務プロセスを可視化し、RPAに適さない業務を改善する等して、対象業務を整理・検証(PoC)するやり方があります。
また、RPA製品のベンダーによっては、RPAを導入する前にPCに業務を見える化させるツールをインストールし、PC内でのインターネットや基幹システムへのアクセス時間やアイドルタイム(何もアクセスしていない時間)を計測し、その結果を踏まえて、RPAの導入を行うという手法を確立しているベンダーもあります。
ベリント・ジャパンという会社が提供しているDPA(Desktop & Process Analyticsdes:デスクトップ分析)というツールがそれに該当します。DPAで業務分析を行ったうえで、同社が提供するVerint RPAを導入していくアプローチを採用しています。

 

RPAが適合する業務を見つけるためには、RPA製品の特長を熟知するとともに、RPAが適合する業務を見える化して、対象業務を分析・検証する必要があります。

 

「設定が中々難しく、思ったように導入が進んでいない」

■RPA設定の難易度を知る
RPA製品はピンキリであり、現在は数多くの製品がリリースされています。数十万円といった低額なものから数百万円といった高額なものまで市場にあふれ、設定が簡単で覚えやすいものから設定が複雑で習得に時間を必要とする製品まで様々です。当然ながら金額が安い製品は設定が簡単で理解するのに時間がかかりませんが、単純な業務でしか利用できないといったケースがあります。一方、ある程度高額な製品になると、設定が難しく慣れるまで時がかかりますが、複雑な業務までRPAで自動化できるメリットがあるようです。いずれにしても、導入を決定する前に自社に合ったRPA製品を選定しなければなりません。意外と使ってみると難しいといった声をよく聞きます。現場部門が主導で利用するのであれば、安価で操作しやすい製品を使用し、情報システム部門が主体的に導入できる環境にあるのであれば、高額で高機能な製品を選択した方がよいのかもしれません。言い換えれば、スモールスタートする際には安価な製品を選択し、全社展開する際には高機能製品に切り替えるといった選択もあります。実際にそのような取り組みで進めている企業も多くあります。
■教育サポート体制に注意する
RPAを選定しても、思ったように導入が進まないといった悩みを抱える企業は少なくなく、“設定が難しい”、“聞きたくてもベンダーがつかまらない”、“問い合わせをしても回答に時間がかかる”といったようにベンダー側の対応が十分ではなく、導入が遅々として進まないケースも多いようです。実際、選定したRPA製品に問題は無くても、RPAを適用しようとしていた業務に間違いは無くても、ベンダーの教育フォローがないために、RPAの導入が進まないというケースも発生してきています。この問題を解消するために、RPAを提供するベンダーではなく、外部コンサルタントを利用するのも手ですし、教育サポートに力を入れているベンダーのRPA製品を選択するのも一つのやり方です。
ソフトバンク社が推奨するサーバ型RPAツールの製品サービスにおいては、RPA製品の提供だけでなく、企業がRPAを理解して導入できるような支援サービスを提供しています。例えば、RPAの設定・導入に関するeラーニングの仕組み(RPA eラーニング for Business)を合わせて提供しています。

 

RPAの導入を円滑に進めるためには、RPA製品の特長を熟知するとともに、ベンダーの教育支援といった付帯サービスやサポート体制を考慮して進める必要があります。

 

RPA選定・導入は至難の業~RPA選定・導入のポイント

RPAの選定は本当に至難の業です。RPAに適した業務が中々見つからないといった問題に加えて、最近は、多くのRPA製品がリリースされており、製品毎の違いを把握するのも一苦労です。
多くの企業がトライアルから進めてみるものの、トライアル期間で本格導入の可否を決めるのは難しいです。
トライアル企業の中には、複数のRPA製品を同時に試し、結果、どれも採用しない(どれを採用して良いか判断できない)といった状況に陥っている企業も珍しくありません。

 

RPAは話題先行のような所があります。成果を出している企業もありますが、期待した成果が出せずに導入が止まっている企業もあります。RPAの選定・導入を検討している企業は、より慎重にRPA製品とそのベンダーを選択する必要があります。例えば今回挙げたようなポイントを軸にして、改めてRPAを検討してみてはいかがでしょうか?
<RPA選定・導入のポイント>
☑RPAに適した業務を分析検証する仕組みやサービスがある
☑RPAを学習するための教育サービス・サポート体制がある

 

まとめ

RPAにおける最近の傾向~見えてきたRPAの課題
「トライアルしたいが、どの業務に適合するか検討がつかない」
「設定が中々難しく、思ったように導入が進んでいない」
★トライアル導入を検討・実施している企業でも多くの悩みを抱えている。
「トライアルしたいが、どの業務に適合するか検討がつかない」
■RPA製品の特長を正しく知る…他システムの相性も含めてリサーチする
■RPA業務を見える化する…対象業務を分析し、検証(PoC)する
「設定が中々難しく、思ったように導入が進んでいない」
■RPA設定の難易度を知る…スモールスタートであれば簡単な製品を選ぶ
■教育サポート体制に注意する…学習環境を提供しているベンダーを選ぶ
RPA選定・導入は至難の業~RPA選定・導入のポイント
RPAに適した業務を分析検証する仕組みやサービスがある
RPAを学習するための教育サービス・サポート体制がある

 

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