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なぜRFPを作成するのか?RFP作成の効果と留意点

2016年10月06日

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今回はRFPについて考えてみたいと思います。
近頃は、パッケージシステム選定時にRFPを作成することが一般的になってきました。
初めてパッケージシステムのRFPを作成する人にとっては、その目的や効果といった基本的な内容を正しく理解することが重要です。
では、RFPとは具体的にどのようなものなのか見ていきましょう。

 


RFPとは

RFPとは「Request For Proposal」の略称で、システム等を発注するにあたり、取引先へ提案を依頼するための資料のことです。
また、RFPと関連してRFIという言葉もよく耳にするかと思います。RFIとは「Request For Information」の略称で、RFPの発行に先だって作成する、情報提供依頼書のことです。
RFIに基づいて情報提供してもらい、「このベンダーはうちの業界に対応したシステムをもっているか」等を見極めたうえで、RFPを発行します。
例えば3月決算の会社であれば、年度が切り替わる4月からシステム導入を始めるというケースも多いと思います。RFPを配付した後は、ベンダー側の提案準備や提案の評価、発注契約手続きで3ヶ月程度は必要になります。そこから逆算すると12月から1月頭にはRFPを配付しなければなりません。RFPの作成にも2~3ヶ月は必要ですので、ちょうど今時期(9~10月頃)から作成している会社も多いようです。

お客様がRFPで悩まれること

いざRFPを作成しようとなった場合に、社内に事例やサンプルを始めとしたRFP作成ノウハウがないため、
「そもそもRFPに何を書けばいいのかわからない」
「機能要件をどう書けばよいかわからない」
と悩んでしまう情報システム担当者も多いようです。

 

多くの会社では、基幹システムの選定というのは5~10年に一度のイベントになります。それだけの期間が空くと、人事異動等の影響で、前回システムの選定やRFP作成に関わった人がもう一度選定に関わるケースは少ないようです。
また、5~10年に1回のシステム導入のために、社内でノウハウをためている会社は少ないのが実情のようです。RFPの作成が一般的になったのもここ10年くらいのことなので、RFPを作成したことがない、という会社もまだ多いと言えます。

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 RFPの期待効果

RFPは、提案を依頼するベンダーに対して、構築を予定しているシステムの仕様や提案における依頼要領を示したうえで、提案を受領することが目的です。
RFP作成により期待できる効果は6つあります。

期待効果
システム要件の網羅
システムに必要な機能を網羅的に把握することができます。
適合率の定量的な測定
システム要件にどの程度適合できるかを定量的に測定できます。
システム構築仕様の明確化
ベンダーに対して機能、システム稼働時期、ユーザ数、データ量を明示したうえで、提案をうけられます。
提案比較の負荷軽減
各ベンダーの提案内容を統一することができるため、比較しやすくなります。
正確性の高い見積り
仕様を提示して見積りをうけるので、正確性の高い見積りをうけられます。
選定過程及び結果の客観性
ベンダーから文書で回答を受領し、それを比較することで、選考過程の客観的な記録を残すことができます。

どういう効果を得たいかを踏まえたうえで、RFPの構成や記載内容を組み立てることが重要ですので、何を目的としてRFPを作成するのかを考える必要があります。

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RFP作成の留意点

RFP作成において注意すべき点は3つあります。

①システムの構築方針を踏まえて機能要件をつくる
例えば「PKGシステムにできるだけあわせる」という方針があるなら、やりたいことを何でも取り上げては収拾がつかないので、本当にやりたいことを中心に取り上げる必要があります。
現場や経営層からは様々な要望がでると思いますが、全てを解決できるシステムはありません。何をとって、何をあきらめるのかを決めることが大切です。

 

②曖昧さを極力残さない
ベンダーによって解釈が変わるような要件があると、回答が変わってしまいます。
できるかわからないことを"できる"と言ってしまうベンダーもいれば、"できない"とネガティブに答えるベンダーもいるため、解釈が変わるような表現を残さないことが大切です。
例えば、「見積書を作成できること」と書いた場合に、ポジティブなベンダーは何らかの見積書発行機能があれば"○「できる」"と答えます。一方、ネガティブなベンダーは、一般的に見積書は企業毎に固有の条件(顧客に応じた様式の作成等が)多い領域ですので、これだけでは分からないと判断し"△「条件による」"と答えます。こうなっては、簡単に比較することができません。
「顧客ごとに異なる様式の見積書を作成できること」といった具合に、極力曖昧さを残さない表現にする必要があります。

 

③現状ではなく目標を伝える
長年にわたって使われてきたシステムは、資料が残されていなかったり、詳しい人が退職してしまったりして、ブラックボックス化していることも多いと思います。そうすると、現行のフローや機能を紐解くだけでも一苦労です。
ですが、RFPで重要なのは今後どうしたいかです。現行のフローや機能だけ書くのではなく、新しいシステムでこうしたい、ということを記載することが大切です。

 

 

まとめ

・RFPの期待効果
☑ システム要件の網羅
☑ 適合率の定量的な測定
☑ システム構築仕様の明確化
☑ 提案比較の負荷軽減
☑ 正確性の高い見積り
☑ 選定過程及び結果の客観性
・RFP作成の留意点
☑ システムの構築方針を踏まえて機能要件をつくる
☑ 曖昧さを極力残さない
☑ 現状ではなく目標を伝える

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