Excelよりも便利になる?~予算管理システムの機能で変わる業務~

2018年02月22日

 

Excelを使った予算管理の運用に限界を感じ、システム化したいと考えている企業は多く存在しています。皆様、自社の運用に合ったシステムを探しているのが現状で、様々な予算管理システムをご検討されています。
しかしながら、そもそも予算管理システムではどのようなことができるのでしょうか。Excelを使う管理よりも効率化を図れるのは、どのような業務なのでしょうか。
今回は、システムで実現できることを予算管理のプロセスに沿ってご紹介していきます。

 


予算策定~予算データの入力~

予算管理のプロセスで最初に行うのは予算データの入力です。

 

予算は最終的には全社の損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書の形で作られます。それらを作る過程においては、全社の数値だけではなく、部門別やプロジェクト別の詳細な情報が必要となります。
予算管理システムは全社の予算数値の根拠となる各部門やプロジェクトのデータを収集し、予算策定の業務をサポートします。

 

予算管理システムでは、売上高・売上原価・販売管理費などの勘定科目とは異なる、部門やプロジェクトごとに細分化した入力項目を設定し、集計することが可能です。
例えば、営業部門の販売管理費を「新規顧客」と「既存顧客」に分け、更に「販売促進」や「販売サポート」などの詳細に分けた予算項目を設定し、登録することができます。
また、このように細分化した項目を予算入力のフォーマット画面として作成し、各部門やプロジェクトの担当者に入力をしてもらうことによって、予算の根拠を収集する仕組みを作り上げていくことが可能です。

 

 

予算策定~予算データの収集・承認~

予算データの入力後は、予算データの収集を行い、データの確認と承認というプロセスに続きますが、これらが予算管理システムの導入による効率化で最も効果を発揮しやすいプロセスです。

 

予算データの収集は、部門やプロジェクトの担当者が予算のデータを経営企画部門や経理部門などの予算担当部門に上げる業務です。
予算管理システムではあらかじめ予算を入力するフォーマットが決められており、部門の担当者がシステム上のフォーマットに沿って入力した予算情報は、予算管理システム内で自動的に集計されるため、予算担当部門は部門の予算データを編成用の別ファイルなどに転記する必要がなくなります。

 

その後の予算データ承認プロセスは、予算担当部門が部門から上がってきた予算データの承認や調整をする業務です。
部門が入力申請した予算データは予算管理システム内で集められ、予算担当部門には提出の通知がなされます。予算担当部門は部門から届いたデータを確認し、対象のデータ内に必要なコメントを付けるなどして、承認/差し戻しを行います。
例えば、ある部門は他の部門と比べて売上予算が少ないようであれば、全体のバランス調整のため、予算担当部門が予算の上積みを要請するコメントを付けて、部門担当者へ再検討を依頼するなどの運用が可能です。
システムでは承認/差し戻しの履歴が残り、内容を遡って確認することができるため、承認の過程が透明化されます。

 

また、予算データの集計結果から、全体の予算にどのような影響があるかというシミュレーションを行うことができるため、各部門の予算を調整することに役立ちます。

 

予算管理システムではこれらの作業を繰り返しながら、全体の予算を固めていきます。

 

 

予実管理~予実対比・予算再編成~

予算が確定した後は、各部門が目標達成を目指して活動を行いますが、予算管理システムはその実績データを取り込んで、予算数値との対比をすることが可能です。

 

実績は、会計システムや販売管理システム又は営業実績を管理しているExcelファイルなどから取得をするのが一般的です。取込みデータの形式や並びを調整できる予算管理システムが多く、できるだけ人の手を介さず、効率の良いデータ収集ができるようになっています。
データを取り込む頻度は必要に応じて設定できるため、速報で確認したい売上の予実対比は日次で取り込み、原価の実績は週次で取り込むなど、自社に合わせた運用が可能です。
Excelで予実を集計するには人手も時間も必要になりますが、予算管理システムではあまり手間をかけずにタイムリーな予実分析を行えますので、予算達成を阻害するマイナスの要素に関する気付きを早めに得ることができるようになります。

 

また、実績に想定外の変化が発生した場合、期中の修正予算をシステムで策定することも可能です。当初予算と同じく、システム内で予算データ収集・集計・承認のプロセスを踏めるため、予算の組み直しを容易に行うことができます。

 

 

予実管理~評価・フィードバック~

予算は四半期や年次決算などのタイミングで、達成度を評価します。
予算管理システムには、予実の分析ツールや各種のレポーティング機能があり、様々な切り口から予実差異を表形式やグラフ形式で表示/出力することができます。
分析画面やレポートは参照する対象者ごとに作り分けることができるため、営業部門であれば商品別の売上、管理部門は経費の予実差異、経営層は全社の損益など、役割に応じた出力が可能です。

 

また、未達成の予算項目については、部門が原因と対策を予算管理システムへ入力して報告し、予実分析レポートに組み込むことができるので、経営層側がその情報を基にして今後の改善方針に関するフィードバックを送るスピードを早める運用が可能となります。
そのため、部門の活動への指示と実行や、改善内容を次期の予算に織り込んだりなどをスムーズに回すことができるようになります。

 

 

予算管理システムを使うメリット

以上のように、予算管理システムには各プロセスで発生する数々の作業を円滑に行い、予算と実績の分析をスピーディーに行う仕組みが数多く備えられています。
他にも提出されたデータの順序を記録しておく版管理や、一次予算や二次予算など、予算確定までの段階を分けてデータを格納しておけるバージョン管理、予算入力から承認までの進み具合を可視化する進捗管理などがあります。
予算管理システムを使うメリットは、Excelの機能だけでは実現が難しい処理に対して備えられた専用機能を使い、予算管理の計画・実行・評価・改善を手間なく行えるようになることです。

 

 

 

まとめ

予算策定~予算データ入力~
☑入力項目には勘定科目と異なる切り口(新規顧客・販売サポートなど)を設定できる・予算数値の根拠を明確にすることができる。
☑設定した入力項目を使って入力フォーマットを作成することができるため、予算の根拠数値を収集することができるようになる。
☑部門の活動に根差した具体的な予算項目を設定することにより、部門やプロジェクトのKPI(重要業務評価指標)として周知することにも役立てられる。
予算策定~データの収集・承認~
☑予算データの承認/否認の理由を記録できるため、承認プロセスの透明化を図ることができる。
☑予算データの集計結果から、全体予算への影響をシミュレーションすることができる。
予実管理~予実対比・予算再編成~
☑実績を他システムやExcelファイルから取り込むことができるため、データ収集作業を効率化できる。
☑システム内でデータ収集・集計・承認のプロセスを踏めるため、期中の予算見直しも容易に行うことができる。
予実管理~評価・フィードバック~
☑予実の分析ツールやレポーティング機能を有し、様々な切り口から予実差異を確認できる。
☑予実差異が発生した場合の原因報告もシステム上で行えるため、改善活動がスムーズになる。
予算管理システムを使うメリット
☑予算管理業務を円滑にする予算データの版管理やバージョン管理、進捗管理などの機能がある。
☑Excelの機能だけでは実現が難しい処理を、専用機能で解決する。

 

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